以前、人工知能で囲碁を学習するパソコンソフト「天頂の囲碁」の話をしましたね。
生徒でも、熱心な子は使っている様です。
AIの世界は進歩がとても速いです。今年(2018年)また画期的なツールが現れました。
「leelazero(リーラゼロ)」と言います。
これは無料で公開されているソフトですので、どなたでも自由に使えます。
天頂の囲碁はzen(ゼン)という日本最強の囲碁AIが使用されていますが、こちらはベルギーの方が開発したAIで、徐々にレベルをあげ、ついに僕ら棋士を超える強さまで達しました。
ゼロが付いている事でも分かるように、グーグルの「AlphaGoZero」の手法で作られています。人間の棋譜を使わず、飛躍した囲碁の考え方を教えてくれます。
このソフトの良い所は、ただ強いだけでなく、解り易く学べるツールも開発されたことです。
こんな感じです。次の候補手による勝率が表示され、その場所にカーソルを合わせると読み筋も瞬時に示されます。
GPU搭載のパソコンなら読みも長手数示されミスも少ないですが、普通のパソコンでも充分、よい勉強をすることが出来ます。
AIとの対局も出来ますし、自分の打った碁を検討出来るのが非常に効果的です。
最近はプロ棋士たちも皆、これを使って研究しています。
大人も子供も楽しく、自宅で学べるツールですので、是非試してみてください。
インストールの方法は、囲碁、leelazero などのワードで検索してみてください。
導入までが、パソコンに慣れて無い方だと難しいかも知れません。
リンクは貼りませんが「okao」さんという方のブログが解りやすいです。
そしてここからが重要ですが、使い方にはいくつかの注意が必要です。
1、leelazeroは、シチョウが読めないという弱点があります。
プロより強いのに、何故かこれだけは治らないのです。
シチョウが絡む場面では、取れないシチョウを取れていると誤判断しての勝率表示、オススメ手順表示だったりしますので、それを信じると全く間違った手を習うことになります。
2,リーラが勧める作戦は、強い人でないと使いこなせない場合も多い。
スポーツでも、小さい子供が体格も体力も全く違うプロ選手のフォーム、戦法で戦う事は、勝ちに繋がらないでしょう。
成長段階に合ったプレイを指導しなくては、勝てませんし怪我にもつながります。
まだAIを使った学習の成果は予想が難しいですが、五段くらいだったらリーラを使っても安心です。
それまでは、天頂の囲碁に代表されるプロの棋譜学習をしたソフトを使う方が、間違いは無さそう。
でも! なによりリーラのソフトは見ていて楽しく、囲碁にふれる時間が増えれば上達できますので、パソコンが得意な親御さま、囲碁をする時間が少ないお子さんは、級位者でも使ってみる事をオススメします。