こんにちは三村智保です。
子供の習い事に囲碁を選ぶ親御さんなら、どなたも少し期待しているのではないでしょうか?
囲碁が頭に良いのではないかと。
実はこの事は、韓国や中国、台湾では常識になっています。
学校の成績アップのために囲碁がいいと普通に考えられていて、たとえて言えば日本の公文式くらい、囲碁が人気の習い事になっているのです。
囲碁道場の経営者としては、この事を是非アピールしていきたいのですが、少し困る事があります。
囲碁がその人の頭を良くすると言うのなら、棋士は皆、頭が良くないといけない。
私自身が賢い人でないとマズイ訳ですが、私は自分がそうでない事を分かっている。だから言いにくいわけです。
特に記憶力。
棋士は記憶力が良いですねと、よく言われます。
きっとテレビ対局などで終局後に、初手からスイスイと石を置いて再現するのを見てそう思うのでしょう。
でもこれは記憶の良さでは無いのです。囲碁を長年、毎日やっているから出来るだけなんです。
私の記憶力がひどい事は、道場生なら知っているかもしれません。毎日の様に物や用事を忘れています。
人の名前と顔を覚えるのも苦手です。
囲碁ファンの方に話しかけられて「去年指導碁を受けました」と言われても全く思い出せないので、気が引ける事がよくあります。
生徒のお母さんに挨拶頂いた時、何度か会っているのに「えっと、誰のお母さんだっけ・・・(・・;)」となるのもしょっちゅうで、誤魔化しています。ここだけの話ですが。
重要な試合で、違う会場に行ってしまい不戦負けになった事も…
碁の並べ返しができるのは、仕事として毎日やっているから出来るだけで、他の事では記憶力なんて、ちっとも良くないのです。
ですので「頭が良い」の意味が「記憶力が良くて思考がクリアに整理されてる。」だとしたら
『碁を打つと頭が良くなる』と、私は言う資格がありません。
ただし、何かを考える時に『長く深く考え続ける』という事は得意です。
これは間違いない。囲碁を続けて来たおかげです。
道場の子供達も、囲碁が上達するにつれて、頭の筋力、頭の持久力が、少しずつ付いていくのを感じます。
これは、小さくない成果だと思っています。