こんにちは!三村智保です。
今回は「形から入る」のお話です。
囲碁の基本練習方法に「棋譜並べ」というものがあります。
棋譜というのは、過去にプロ棋士が打った手順が数字で書かれているもので、それをひとりで碁盤に並べていく練習です。
道場に来たらまずこの練習をしますが、これが好きだという子は少ないです。(笑)
初級者には特に、段を持ってる子でも、手の意味は全く理解できないものです。
念仏を唱えさせられるようなシンドさがあると思います。
ただし我慢してこれを繰り返しているうちに、何となく良い形が身についていくのです。
書道でも、お手本をひたすら真似して書く事で、良い形が身につくと聞きました。
難しいお経や漢文でも、100回繰り返せば感じるものがあるのではないでしょうか?
囲碁を学ぶ時に、あまり最初から、言葉で仕組みを理解しようとしない方が良いのです。良い手をたくさん見ること、たくさん打つこと。体験から学ぶのです。
型を身につけるという意味でもう一つ、姿勢の重要性があります。
姿勢を整えれば、心が整うのです。
碁を打つときの姿勢にはいくつかチェックポイントがあります。
背筋を伸ばして、正面を向いて座る。
石をジャラジャラ鳴らさない。
初めと終わりに挨拶をする。
などです。これも特に男子にはシンドイ事だと思います。
何故そんなうるさく言われるのか、意味はわからないと思いますが、何度も言われて渋々やっているうちに、少しずつクセになります。
猫背で足をプラプラしながら名人になった棋士は未だかつていません。
囲碁の大会でも1番になるような選手は礼儀正しいです。
「ありがとうございます。」「よろしくお願いします。」
負けた時でも「ありがとうございました」
こういう挨拶も、心を込めてしている子は少ないです。
でもそれで良いのです。形から入れば、後から中身はついてきますから。
ひとつひとつ意味を確認できないと行えない、というのは我々大人の特徴で、子供は形から入る練習がやりやすいです。
見よう見まねという言葉がありますが、囲碁の上達にはこれが重要です。
そして、出来るだけ良いお手本を近くに見つけることです。優れた人のそばに行きましょう。子供は自然に影響を受けます。